本日、55名の卒業式が行われました。
卒業生、保護者、職員による短縮した卒業式でしたが、厳粛な中にも温かい式となりました。
卒業生の皆さん、お元気で。
校長式辞
春の遅い信濃町も、日に日に日差しの温かさが増し、春のいぶきが感じられるようになって参りました。
卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。今、皆さんの胸の内には、卒業の喜びと同時に、入学した当時から今まで、学校生活9年間の思い出の数々が駆けめぐっていることでしょう。町内の五つの小学校に入学された皆さんは、二年生に進級と同時に、信濃小中学校生として、この学舎の門をくぐりました。それ以来、仲間と共に、様々な経験を糧とし、信濃小中学校の歴史を創りあげてきてくれました。
さて、今年は、新型コロナウイルス感染により、予想しなかった9年生の終わり方となりました。また、少し前には、台風十九号が日本各地に大きな被害をもたらしました。
台風19号や新型コロナウイルス感染は、ひとりの力ではなにもできません。人間一人の力というのは、非常に微力です。しかし、これらのことには、立ち向かっていかければなりません。では、どうしたらよいか。
一つは、団結力が必要と考えます。一人では、立ち向かえなくても、まわりの人、時には、日本中の人たちと団結して、互いに支え合っていくことで、立ち向かっていくことができると考えます。
もう一つは、自己判断力です。多くの情報があふれている中で、一つ一つ確かな情報なのかを見極め、自分で考えて、自分で判断して、実際に活動していく力です。
この団結力と自己判断力は、これからの世の中を生き抜いて行くには、たいへん重要な力だと考えます。
これからは、すべてにおいて、予測不能な時代と言われています。台風や新型コロナウイルス感染のような災害だけでなく、世の中がどのように変化していくのか、全く予測できません。
日本は、これまで、狩猟の時代、農耕の時代、工業の時代と進み現在は、情報の時代です。少し前までは、ごく一部の人が、企画立案し、構想や計画を立て、多くの人は、言われたことを言われたように速く正確に実行・生産してきました。しかし、これからの時代は、実行や生産は機械やロボットが行います。人は、企画立案や構想計画を立てることが仕事の中心となります。そうすると大事なのは、先ほどの自己判断力です。言われたことを言われたとおりやるのではなく、自分で考えて、判断していくことになります。
安心してください。皆さんは、この大切な団結力と自己判断力は、9年間の本校の学びで十分力をつけています。学年学級の中で、授業の中で、若竹の時間の中で、運動会や文化祭などの学校行事の中で、部活動の中で、日々の生活の中で、皆さんは、自然に鍛えられています。自信をもってください。
これから生きていく上で、予測不能なことに数多く出会うと思います。しかし、この雄大な黒姫の麓で、厚い絆を紡いできた友と共に十分力をつけています。立ち止まったときは、このふるさと信濃町での学びを思い起こしてください。
これからそれぞれの人生を歩み始めますが、ここ信濃町は、常に皆さんを優しく包みこんでいます。そして、ここにはかけがえのない友がいます。そのことも誇りとし、自信と勇気をもって歩んでいってください。
卒業生の保護者の皆様、本日は、お子様方のご卒業、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
残念ながら、このような形の卒業式となってしまいましたが、本日の立派な晴れ姿を、どうぞ祝ってあげていただきたいと存じます。また、今日まで、本校の教育活動に寄せられましたご理解とご協力に厚く御礼申し上げます。
以上で式辞とします。
令和二年三月十八日
信濃町立信濃小中学校長 勝野 学